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|||  契約について思うこと(雑感)
農工大ティー・エル・オー株式会社
特許流通アドバイザー 峯ア 骼i


はじめに(契約について)
 契約とは、契約当事者間の合意に基づく法的拘束力を持った約束のことであり、強制力があります。契約違反に対しては、損害賠償も請求できます。契約は、書面による必要はなく、口頭でも成立しますが、「そういうつもりではなかった。」という勘違いや、「言った覚えはない。」と主張されるといったトラブルにもなりやすいので、通常、契約書を取り交わします。また、担当者が変わると、契約に至った背景などがうやむやになり、契約書の文言だけが一人歩きすることにもなりかねませんので、客観的に見ても納得できる条件、明確な文言での契約が理想です。一旦契約が成立すると、契約当事者はその契約に拘束されますので、事前の慎重な検討が重要です。本来、契約は、契約当事者間の力関係が均衡していることを前提に成り立っていますが、力のある契約当事者のみに有利な契約も存在していることは事実です(日本では、形式を重んじる傾向にあり、強制されて契約した場合でも、明らかな法律違反である場合は別にして、まず契約が有効なものとして扱われます。)。契約は、信頼関係の上に成り立ち、契約当事者双方にメリットがあるからこそ締結すべきものですが、そうであっても、諸事情の変化により、その契約を継続することがかえって不都合である事態が生じ得ますので、そのような場合には、その状況を放置せず、契約当事者が話し合い、妥当な解決策を見つける必要があります。

ライセンス契約(技術移転における契約)
 農工大TLOは、農工大の特許やノウハウなどの知的財産を企業に技術移転し、その対価として企業が支払うロイヤリティーを農工大の新たな研究資金として還流する知的創造サイクルの確立を目指しています。農工大の知的財産の中でも最も重要なものの一つとして、特許権(特許を受ける権利についても特許権と同様に考えます。)があります。技術移転におけるライセンス契約といったときには、たいていの場合、特許権の実施許諾契約を指します。ライセンス契約は、知的創造サイクルを支える重要な契約の一つです。
 ライセンス契約は、特許権を有効活用したい特許権者と、その特許権をビジネスに利用したい企業などとの思惑が一致したときに締結します。
 ライセンス契約に限りませんが、契約書を作るに当たっては、「ひな型」を利用するのが一般的です。(独)工業所有権情報・研修館などのひな型は、これまでのいろいろなケースを織り込んだライセンサー、ライセンシー双方にとって妥当な内容といえるものであり、通常、これらのひな型をベースに個々の特別な事情を盛り込みます。
 ただし、同じライセンス契約であっても相手が米国企業などの国際契約の場合には、細かな注意が必要です。日本流の「あうんの呼吸」や、「押して知るべし」といったことは通用しませんので、国際契約を得意とする専門家に相談することをお勧めします。

誤解(してはいけないこと)
 契約書に明文の規定がなくても(さらに言えば、契約書を取り交わしていなくても)、相手の秘密を漏らしたり、ノウハウなどを勝手に使うことは許されません。契約書は、契約当事者間の合意を明文化したものであり、契約書で禁止していなくても、相手にとっての不利益行為を容認している訳ではありません。

争い(相互理解)
 契約を巡って訴訟などの争いになる場合もありますが、その前に、なぜ契約を締結したのかという原点(信頼関係に基づく協力関係の構築)に戻り、契約当事者双方の当時の思惑や、現状を見極めた上で、話し合いで解決できるのが理想です。契約内容が現状にそぐわなくなったのであれば、現状に合った内容に変更するという決断も必要です。その方が、コストパフォーマンス的にも優れています。ただし、契約を自らの利益のみを追求する道具としか考えていない相手(残念ながら、契約締結後に相手の本心が分かるケースが多々あります。)に対しては、安易に妥協すべきではないことは当然のことです。

終わりに(所感)
 契約は、確かに契約当事者を拘束もしますが、順調に機能している限りは、契約当事者間の潤滑油(あるいはジョイント)ともいえるものであり、WIN−WINの関係を構築するためには必要不可欠のものです。これからも、上手に契約と付き合って行きたいと思います。

 

 

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