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|||  農工大のお家芸、マッチングファンドのご案内!
農工大ティー・エル・オー株式会社
アソシエイト 木下 豊


 先生方と企業との共同研究を念頭に置いた場合、各種補助金・助成金制度の活用はメジャーな選択肢の一つである。技術立国を標榜する我が国には、実に様々な、公的な補助金・助成金の制度が用意されている。技術ファンの一人として、分野・研究開発のステージ等に適した制度をご活用いただき、ご研究をお進めいただきたいと願うものである。詳細は、省庁、自治体、独立行政法人別の補助金・助成金制度を一覧できる以下のウェブをご参照願いたい。
http://sgk.jst.go.jp/scripts/search/shouchou.htm?DDB=JIGYOU&KEY=&SEARCH_ID
=shouchou&TOP=TOP&OWN_KIND=TOP&MAX=20


 筆者は農工大TLOにおいてNEDOのマッチングファンド(正式名称:大学発事業創出実用化研究開発事業)を担当しているため、マッチングファンドの紹介をさせて頂くが、あくまでも選択肢の一つとしてご検討願えれば幸甚である。
(詳細は以下のウェブをご参照願いたい)
http://www.nedo.go.jp/informations/koubo/171019_2/171019_2.html

 マッチングファンドとは経済産業省がNEDOに管理運営を委託している、大学の研究成果の事業化を目的とした大学と企業との共同研究を支援する助成金制度である。その趣旨は知的創造サイクルを確立し我国の国際競争力を向上させることにある。国際競争力の急速な低下(IMD世界ランキング1991年1位→2002年24位)、知識経済化の進行に危惧を抱いた政府が90年代後半に劇的な復活を遂げた米国の事例を研究して打ち出した知的財産立国構想のもと、経済産業省により具体策の一つとして導入された。
 
  マッチングファンドの主な特徴は以下の通りである。
1. 企業が500万円以上(消費税込み)の資金を提供すると、NEDOがその2倍の資金を提供するため資金提供額の3倍規模の予算で共同研究ができる。
2. 予算を企業の資金提供額を上限に企業から出向により助成事業に従事する研究者の人件費に充当できるので、実質的な費用負担を極力抑えて研究開発ができる。
3. 研究成果は、出向した研究員の発明も含め、すべてTLOに集約され、TLOが単独で特許の出願人になり、資金提供企業は、この特許出願を独占的に利用する権利を得る。事業化された場合、資金提供企業は合意した実施料をTLOに支払う。
4. 助成金で取得した設備は、承認のうえ商用転換が可能である。
5. 助成金の返済義務はない。(TLOによる収益の納付義務はある。)

 既にご承知の向きもあるかもしれないが、伝統的に企業との共同研究が盛んな農工大の強みを生かし、農工大TLOは当初よりマッチングファンドで全国1、2を争う実績を残している。ちなみに平成17年度の運営件数は13件(R&D10件、F/S3件)で、全国1位であった。以下、理工学振興会11件(R&D11件)、慶応義塾9件(R&D9件)、中部TLO9件(R&D7件、F/S2件)、よこはまTLO7件(R&D5件、F/S2件)と続いている。このうち中部TLO、よこはまTLOは所謂広域型TLOであり、その運営件数は複数大学の案件から構成されているのに対し、農工大TLOの13件は農工大案件のみである。また、トップを競う理工学振興会の母体である東工大、ならびに慶応大学との規模の違いを考慮すると、農工大がいかにマッチングファンドに強いかご理解いただけよう。

マッチングファンド(研究開発(R&D)事業)全体に占める農工大TLO(カッコ内)の実績
  (注)上記以外に当社は16年度より制度化された事前調査事業(F/S)において、17年度3件、18年度1件の採択実績有り。  

 次に、最近のマッチングファンドの傾向と農工大案件へのヒントについて検討する。実用化段階の研究開発を助成対象としているため、事業化計画を示しやすい、(臨床実験を必要としない)非医療分野の材料、装置が主流を占めてきたが、17年度は、従来見られなかった種類の案件が採択されており、従来マッチングファンドを敬遠しがちだった先生方の中にも有望案件の発掘可能性が出てきた。以下に最近の変化・傾向と農工大案件へのヒントを記す。

1) 医薬、医療関係案件の増加
  臨床実験を認めないマッチングファンドにおいて不利とされていたが、このところMF助成期間終了後に臨床実験が必要な案件についても採択されるものが急増中
(例) 農工大「がんの血管新生を抑えるプラスミノーゲンモジュレーターの開発」
    慶応大「抹消血単球を用いた再生医療の開発」
    慶応大「インフルエンザの感染を阻害する糖鎖ミミックペプチドの開発」
   
東工大・京都大「最新合成・評価技術を融合したアルツハイマー病治療薬の開発」
    その他多数
→農学部、工学部の先生方の医薬品の基になる物質、医療用の材料、装置などの研究シーズ

2) 食品関係の採択
(例) 慶応大「植物成分コノフィリンの機能性食品実用化研究開発」
    鹿児島大「発酵もろみの完全利用によるゼロエミッション焼酎製造技術の開発」
→農学部、工学部生命工学などの先生方の研究シーズ

3) 農業技術案件の採択
(例) 産総研「ジャガイモそうか病の土壌・病斑部診断技術と新規防除手法の確立」
→農学部の先生方の研究シーズ

4) IT案件の増加
(例) 大阪大学・関学「特定用途向きプロセッサのための応用プログラム開発環境の実現」
    横浜国大「PET−CT画像を用いたガン検診向け診断支援システムの開発」
    徳島大「医療診断知識の高速学習技術による医療リスク警告システムの研究」
    その他多数
→電気電子・情報コミュニケーション・機械システムの先生方の研究シーズ

 これの変化・傾向は、社会の変化に呼応してビジネスチャンスが多様化し、従来事業化が難しいとされていた分野で事業化を試みる企業が増加しているためと思われる。そしてこのことは農工大案件を考える上で明らかにプラス要因であり、今後の農工大案件が益々楽しみである。

 最後に、次回(18年度第2回)のマッチングファンドの公募予定について述べる。詳細の発表は4月中旬となるが、公募開始が4月中旬で締切りが7月19日である。少しでも多くの先生方、企業の皆様の夢を実現するため、是非ともお手伝いしたいと願っている。

 

 

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