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|||  マッチングファンドで夢の実現を!
農工大ティー・エル・オー株式会社
アソシエイト 木下 豊


 「自分の研究成果を活用した新商品・新サービスのアイディアがあるけど企業からの共同研究費用だけでは資金が足りない。」と言われる先生方、「大学の先生と共同研究して事業化したいものがあるけどお金が無い。」と言われる企業の皆様にご紹介したい助成金制度がある。大学発事業創出実用化研究開発事業、通称マッチングファンドである。筆者は、農工大TLOにおいてマッチングファンドを担当している。
 マッチングファンドとは経済産業省がNEDOに管理運営を委託している、大学の研究成果の事業化を目的とした大学と企業との共同研究を支援する助成金制度である。その趣旨は知的創造サイクルを確立し我国の国際競争力を向上させることにある。国際競争力の急速な低下(IMD世界ランキング1992年1位→2002年27位)、知識経済化の進行に危惧を抱いた政府が90年代後半に劇的な復活を遂げた米国の事例を研究して打ち出した知的財産立国構想のもと、経済産業省により具体策の一つとして導入された。
 マッチングファンドの主な特徴は以下の通りである。
1. 企業が500万円以上(消費税込み)の資金を提供すると、NEDOがその2倍の資金を提供するため資金提供額の3倍規模の予算で共同研究ができる。
2. 予算を企業の資金提供額を上限に企業から出向により助成事業に従事する研究者の人件費に充当できるので、実質的な費用負担を極力抑えて研究開発ができる。
3. 研究成果は、出向した研究員の発明も含め、すべてTLOに集約され、TLOが単独で特許の出願人になり、資金提供企業は、この特許出願を独占的に利用する権利を得る。事業化された場合、資金提供企業は予め合意した実施料をTLOに支払う。
4. 助成金で取得した設備は、承認のうえ商用転換が可能なので、設備投資資金の節約が可能である。
5. 助成金の返済義務はない。(TLOによる収益の納付義務はある。)

 活用すると、実質的な費用負担を極力抑えながら総予算数千万円から億円単位の研究開発を行うことが可能となるこの制度、意外に産業界ではあまり知られていない。このため返済義務のある補助金を使って倒産した企業の話を知っている人が警戒することもある。また、研究成果がTLO帰属になることに抵抗感を示す企業の知財担当者も少なくないが、全体を考えれば、独占的実施権を保持しつつ特許費用の負担ならびに特許管理業務から開放されるなど、企業にとってメリットはあるがデメリットはごく小さいと思われる。
 逆に、それほど優れた制度なら応募が殺到して競争率が高いのでは、と思われる向きもあるかもしれない。確かにマッチングファンド全体の年度別競争倍率(採択率)は平成14年度(補正を除く正予算分)1.9倍(52%)、15年度3.3倍(33%)、16年度4.6倍(22%)、17年度(第1回公募終了時点)3.4倍(29%)と年々高まる傾向にある。こうなると、「忙しい中手間をかけて申請書を書いても確率が低いなら割に合わない。」と思われる先生方ならびに企業の皆様、結論を出される前に農工大TLOの実績を見ていただきたい。
 農工大TLOはマッチングファンドが制度化された当初より、一貫して強みを発揮してきた。このことは全国で1、2を争う累計被採択件数に表れているが、特筆すべきは60%を超える被採択率(申請件数に対する採択数の割合)である。なぜなら、被採択件数そのものは申請件数、ひいては大学の規模に影響され得るからである。この点、農工大は中規模の国立大学ながらトップクラスの被採択件数を残しつつ、同時に常時平均を大きく上回る被採択率を保持している。今年度は平均の2倍の確率で採択されている。

表1.マッチングファンド(研究開発事業)全体における農工大TLO(カッコ内)の実績

 それでは、なぜ農工大TLOはマッチングファンドに強いのか?思うに、その答はマッチングファンドが農工大の強みを発揮できる性格のファンドであるからということになる。ファンドの支援対象が実用化目的の大学と企業による共同研究であるのに対して、農工大は実学重視の伝統の下、企業との共同研究が非常に盛んである。大学と企業の双方が効果的な共同研究のスタイルを柔軟に探り出そうという雰囲気がある。
 最後に、次回のマッチングファンドの公募予定について述べる。詳細の発表は10月中旬となるが、公募開始が17年11月初旬で締切りが17年12月末である。少しでも多くの先生方、企業の皆様の夢を実現するため、是非ともお手伝いしたいと願っている。
 

 

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